侘び -WABI-

日本人なら聞き馴染みのある『侘び寂び』
ここで使われる『詫び』とは、ある種の有限性を慈しむ感性であり
朽ちていく中に美しさを感じる日本独特の感覚を指し
ひいては儚さに繋がる日本人独特の感覚『Wabi sabi』として世界に認知されつつあります。
この通奏低音的に我々、日本人の中に静かに流れる感性が近代では柳宗悦の『民藝運動』や『用の美』に通じていきます。

今回の企画展では
日本の無名ながら趣のある骨董や家具、世界的に名作と呼ばれる作品まで
『詫び』の視点を持ってアイテムをセレクトし空間を誂えました。

自然の中に存在する我々は有機物であり、いずれ朽ちる存在です。
有限の中の移ろいに美を感じる感性を、国や時代に囚われず世界中のプロダクトにも
その感性をもって視る事を常に我々は意識してきました。
有限の中に無限を見出した昔年の人々の生活に思いを馳せて頂ければ幸いです。

Objet d’artが麻布へ移転後、初めての企画展。
皆様のお越しをお待ちしております。