Objet d' art

FOCUS

Les Arcs

Charlotte Perriand | les arcs venture 1967 - 1989

『レ・ザルク』はフランスのサヴォア県に1967年に建設された初めての一般向けのスキーリゾート。そのプロジェクトはシャルロット・ペリアン がまとめ役として選ばれ、ガストン・ルゲラ、ギ・レイ・ミレー、ベルナール・タイユフェルら著名な建築家たちがチームに参加していました。1969年には最初のレジデンスが建設されArc1600 , Arc1800 , Arc2000とプロジェクトが進行していきました。その当時、 事前に組み立てられたバスユニットやキッチンユニットは画期的なアイデアであり、対面式キッチンもとても珍しく斬新なインテリアでした。始まってから50年以上が経っており、近年、環境設備の劣化などからリノベーションが多く行われ当時のまま残っている部屋は多く失われています。その中でレ・ザルクで使用されていたシャルロット・ペリアン の家具などは希少価値が高くなってきています。 

Les Arc 1600

Cascade residence, 1967-69
Charotte Perriand & Gaston Regairaz

La Cascadaは、7つのブロックが連続して配置された直線的な建物です。建物は斜面と平行に配置されており、傾斜の窓は障害物なく景色を眺めることができ、ドラマチックな効果と安定した不均衡を生み出しています。アパートメントは片道で、中央の廊下からアクセスできます。南向きの方には、アパートの幅と同じ幅、深さ2メートルほどのバルコニーがあり、完全に開くことができ、内側と外側の境界を感じさせません。南側と北側のどちらのファサードも垂直ではありません。最初のファサードは後方に傾いて太陽に向かって開き、他のバルコニーから影が落ちるのを防ぎます。2番目のファサードは傾いて雪の地面を見ます。工事にあたり、ジャン・プルーヴェの意見は、議論の決定要因でした。 彼のアイデアは、この建物とレザルクを構成する3つの山岳複合施設の構造の構築方法を決定しました。アパートの床と仕切り壁には、18センチの厚さのコンクリートスラブが使用されました。型枠により防音効果を得ることもできました。La Cascadaは”Maison de la culture in Firminy"のアイデアを含んだモダンな建築物と感じ取ることができます。

Les Arc 1600

Cachette residence, 1969-70
Charotte Perriand & Alain Bardet

リゾートの南側を占めるカシェットレジデンス。シャルロット・ペリアン 監修、アランバルデによりプロジェクトは進められました。カスケードのように地形に合わせて成形され、山のラインを美しく保ちました。ここではシャルロット・ペリアン がデザインした、テーブルやチェア、照明などが多く使用され、バナード・タイユフェールらがデザインしたベッドが使用されています。

Les Arc 1800

Lauzières residence, 1973-76
Charotte Perriand & Bernard Taillefer

「ラウジエール」はレ・ザルクで最大の建造物です。バルコニーの手すりがグリーンカラーで、夏にはサンルームとして使用される長い屋上バルコニーが特徴的な建物。キッチンやバスルームはユニット化されペリアンの指示に従って事前に組み立てられ、山の地形でもクレーンで簡単に取り付けることができました。キッチンやバスルームはグリーンやレッドの明るいカラーが使われており、当時では珍しいオープンキッチンで、リビングを見渡すカウンターがあります。家具と壁面には松材が使用され山小屋のイメージに近いインテリアとなっています。部屋をミニマルに仕上げたことで、ゲストの視線が自然とアルプスの景色に向くよう意図されています。

Les Arc 1800

Pierra Menta residence, 1974-79
Charotte Perriand & Bernard Taillefer

ピエラメンタレジデンスはシャルロット・ペリアン監修でバナード・タイユフェールが担当した建築物です。長さ86メートル幅26メートルの建物で四つのセクションに分割されています。シャルロットペリアン は1977年に多数の代替レイアウトを設計しています。ラウジエールレジデンスとは異なりブルーのバルコニーの手すりが特徴的となっています。インテリアはラウジエールと同様、シャルロット・ペリアン が考案したバスルームとキッチンユニットが使用されています。